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苦しみから喜びへ


by 83haruei

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at 2018-07-22 01:15
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過去の亡霊たちの扱い方

過去の亡霊たちが
胸の奥で蠢いている

叶えきれなかった想い
伝えきれなかった想い

残った感情の燃えかすが
今頃になってくすぶり出てきた

全てに心を寄せて
全ての感情に寄り添って
味わい尽くして
解消するには

今を生きる「時」が無くなる

現れれば、現れるほど
過去に遡り

あれも、これも、と
身体の隅々から
感情が溢れ出てくる

泣き尽くすことなど
出来ない

悲しみの井戸に深く落ちていけば
また薄暗闇での徘徊が始まる

新しい手立てが必要で
新しい心を生み出さなくては
また自分の心に溺れてしまう

せっかくここまで
辿り着いたのに
今更戻るのはもうごめんだ

けれども・・・
溢れくる感情を抱え続けている
この身体を放っておくわけにはいかない
痛みと共に、痛みを抱いて
大いなる源のど真ん中へ
真っ直ぐに
落ちて行く

全てが最小単位で分解され
優しく癒されて行く
あの金色の光の中へ






# by 83transformation | 2018-07-22 01:15

遠い暗闇の果てで

遠い暗闇の果てに
一筋の光が差し込んでいる

その光に誘われて
暗闇の中を光を目指して進んでいく

遠くて、遠くて
一体どこまで行けば
あの光へと辿りつくのか

時々、暗闇の深さに
恐れおののき
暗闇の広さに
凍えながら

それでも一筋の光を信じて
遠い暗闇の果てを目指す

疲れ果てた死体が
私の足元を邪魔する
諦めた溜息の残痕が
私の喉を締め付ける

一体どこまで行けば
あの光へと辿りつくのか
どこまで来たのか振り返っても
暗闇しか見えない

周り中が暗闇で
音も景色も無いまま
気が狂いそうになりながら

一条の光だけを目指して突き進む

逃げ水のように
近づこうとすれば遠ざかる光

目を凝らしても
一向に近づく術が見つからない

虚しくて悲しくて
ぎゅっと目をつぶった
その瞬間

瞼の内側にずっと見続けていた
光が見えた。

次の瞬間で
私は、自分の瞼の内側に
光を捉えたことを知る

これ以上進まなくていい
瞼を閉じさえすれば
光はここにある

そう感じた瞬間に
瞼の裏側の光が一斉に輝きを増し
暗闇だった周り中が全て光に包まれた

眩しすぎて何も見えないほどに。



# by 83transformation | 2018-06-22 03:35

悪魔の溜息

私の中の悪魔が笑う
やれるものならやってみろ

オレを消そうとしたって
お前なんかには到底無理だ、と。

愚かなお前に何ができる?

何一つ達成できない
愚鈍なお前に何ができる?

悪魔が笑う

一体お前に何が出来るんだ?

私が答える
分からない。
まるで分からない。

ただ、何が出来るかを知っているなら
あなたの力は必要なくなる。

悪魔が笑う
そのバカさ加減に腹が立つ

私が答える
私の為にありがとう。

悪魔が大きなため息をつく。
ウンザリしたように
ただほんの一瞬、安堵の緩んだ優しい目をして。

私はその瞬間がとても美しく大好きで
愛おしくてたまらない

悪魔が笑う
これまでも、これからも
お前のバカに付き合い続けるしかないな


# by 83transformation | 2018-05-03 00:58

銃口の先に止まる蝶々

狙いを定める銃口の先に止まる蝶々
優しく羽を休ませて
小さな小さな顔を
戦う戦士に向ける

儚い命
尊い命

ほんの一瞬でも
引き金を弾く手の
緩むことを

銃口の先に止まる蝶々は
願っているのだろうか?

無邪気な戯れ
迷い込んだ偶然

蝶々の気まぐれ

引き金を弾く戦士の
瞼の裏に
幼い頃遊んだ畑の記憶が蘇る
緑豊かなキャベツ畑

彼は静かに瞼を閉じて
なんにも見ずにひきがねを弾いた

銃声が轟き蝶々が飛び退く
目の前の埃だらけの世界に

戦士の涙が
あっという間に吸い込まれ消えた





# by 83transformation | 2017-04-11 01:17

桜の木の下のあの人の幻想

桜の木の下
首吊りのあのひとはもういない
自由になって
自らの幻想から解き放たれた

感慨深くそれを味わう

いまは優しく髪を梳かしながら
大好きなあの人のお膝元
静かに寄り添いながら
微笑んでいる

美しさを取り戻し
桜と共に喜びを咲き誇らせている

その様子に涙する

幸せが伝わる
どれだけの年月を苦しんだだろうか
もう二度と、戻らないように
そう祈りながら見つめると

あのひとが満面の笑みを浮かべて
こう言った

私はずっとここにいた
愛しい人に寄り添いながら
永遠の満開の中で
永遠の喜びを満喫してた

それを許さなかったのが
あなた
だから、そんな私の姿が憎らしく
満開の桜の木の下に
私を吊るしたのはあなた

自由になったのは
私ではなく
あなた・・・・

あの人がいたずらっぽく微笑みながら
祝福を返してくれた

自由になったのは
私。

いまやっとそれに気がつく

・・・・・・・・・・・・・
2017/4 ここから現在の日記



# by 83transformation | 2017-04-09 23:18